共催行事
第2回 脂質工学研究部会 講演会
油脂産業界では新しい機能性脂質の開発を目指した研究が盛んに行われるようになってきています。これらの研究成果を基に、健康に焦点をおいた油脂や健康食品などの新製品が市場に出回るようになり、脂質工学は脚光を浴びる分野になってきています。
本研究会では、微生物機能あるいはリパーゼを利用した油脂の改質や有用物質の合成、および機能性脂質と脂質代謝調節に関する内容を、研究や産業界の第一線でご活躍の先生方にご講演いただくことになっています。また、若手の方々を中心としたポスター発表も企画しております。本研究会は、産学官共同研究の実現を目的とした情報交換の場として企画しておりますが、若手の方にも気軽に参加していただける気さくな会を目指しておりますので、多数ご参加下さいますようご案内申し上げます。
主催:日本生物工学会脂質工学研究部会、バイオ産業研究会、21世紀COEプログラム「微生物機能の戦略的活用による生産基盤拠点」
日時:平成15年12月5日(金)10:00〜17:15
会場:大阪市立工業研究所講堂(〒536-8553 大阪市城東区森ノ宮1-6-50)
TEL 06-6963-8073 FAX 06-6963-8079
JR大阪環状線森ノ宮駅、地下鉄中央線又は長堀鶴見緑地線森ノ宮駅下車、4番出口を東へ300m、
都市基盤整備公団の角を北へ300m、森ノ宮小学校北隣(徒歩約10分)
<プログラム>
10:00〜10:05 開会のあいさつ
10:05〜10:45 植物油脱臭留出物からトコフェロール、ステロール、ステリルエステルの精製
○永尾寿浩、渡辺 嘉、島田裕司(大阪市立工業研究所)
植物油の精製工程の一つである脱臭工程から排出される脱臭留出物中には、酸化防止剤として利用されているトコフェロールと、血中コレステロール値低下作用を持つステロールおよびステリルエステルが含まれている。本講演では、大豆油脱臭留出物中に含まれるトコフェロールの収率と純度向上、およびステロールとステリルエステルの高収率・高純度回収にリパーゼ反応の導入が効果的であることを紹介する。
10:45〜11:25 リパーゼを用いた脂肪酸エステルの合成とその性質
安達修二(京都大学大学院農学研究科)
アセトンなどの有機溶媒中での固定化リパーゼを用いた縮合反応による糖、糖アルコール、アスコルビン酸などの親水性物質への脂肪酸の付加による対応するエステルの合成について、平衡収率や反応速度に及ぼす諸因子の解析と生成物の乳化剤特性などの観点から概説する。
11:25〜12:05 海洋微生物が拓く新たな脂質バイオテクノロジー
秋 庸裕(広島大学大学院先端物質科学研究科)
食品・医薬品素材として利用価値が高い高度不飽和脂肪酸やキサントフィル(ケトカロテノイド)を海洋微生物資源を利用して生産する技術について、最近の知見を述べる。
13:30〜14:10 有機溶媒中でのリパーゼの反応性
広瀬芳彦(天野エンザイム(株)医薬開発部)
リパーゼ類は、有機溶媒中での反応性が最も利用されている酵素であり、有機溶媒の種類により基質特異性が影響を受けることが知られている。有機溶媒中では、酵素は溶解しておらず、酵素が持っている水や溶媒中に溶け込んでいる水とあわせた形で、溶媒効果が議論されている。リパーゼを有機溶媒中で行う場合に制御すべき多くの因子が考えられ、反応媒体としての酵素反応への影響について話題を提供したい。
14:10〜14:50 植物ステロールの吸収およびコレステロール吸収阻害機構
池田郁男(九州大学大学院農学研究院)
植物ステロールは小腸からのコレステロール吸収を阻害し、血漿コレステロール濃度低下作用を示すことはよく知られており、機能性食品素材として利用されている。植物ステロールはコレステロールと類似した化学構造を持つにもかかわらず、ほとんど体内へ吸収されず排泄されるため、安全性も高い。本講演では、植物ステロールのコレステロール吸収阻害作用および難吸収性のメカニズムを詳説する。
15:00〜16:00 ポスター発表概略説明
16:10〜17:10 ポスター発表
17:10〜17:15 閉会のあいさつ
17:30〜19:00 ミキサー
参加費:無料参加費無料。定員100名(先着順)。E-mailまたはFAXにて住所、氏名、所属、TELを明記の上、下記宛に申し込んで下さい。
連絡先:〒536-8553 大阪市城東区森ノ宮1-6-50
大阪市立工業研究所 生物化学課 永尾寿浩
TEL 06-6963-8073、FAX 06-6963-8079、E-mail
nagao@omtri.city.osaka.jp
|