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日本を代表する花はサクラである。他の生物に目を転じると、国鳥はキジ、国魚はアユ、そして国蝶はオオムラサキである。
日本のミクロの世界を代表する微生物(国菌)は である、と私は思う。 は古くは10世紀に源順の著したわが国初の分類体の漢和辞書「倭名類聚鈔(和妙抄)」に加無太知(かむだち= )として記された。 は日本の伝統的 食品の製造に欠かすことができないばかりか、日本の人々の、ものの見方、考え方、そして日本の社会に大きな影響を与えてきた微生物である。きわめて大まかな数字だが、日本の微生物産業、 工業は国内総生産の約3.5%くらいである。 工業の売上げの1/3は日本酒、焼酎、醤油、味噌などの 関連産業のものである。 は国内総生産の約1%を稼ぎ出しているといえる。 (一島英治著 (こうじ)、法政大学出版局より) |