催し

微生物機能の戦略的活用による生産基盤拠点

京都大学21世紀COE

共催行事

第4回 脂質工学研究部会 講演会

主催:日本生物工学会脂質工学研究部会
   京都大学21世紀COEプログラム「微生物機能の戦略的活用による生産基盤拠点」
   バイオ産業研究会

 油脂産業界では新しい機能性脂質の開発を目指した研究が盛んに行われるようになってきています。これらの研究成果を基に、健康に焦点をおいた油脂や健康食品などの新製品が市場に出回るようになり、脂質工学は脚光を浴びる分野になってきています。
 本研究会では、脂質工学分野において第一線でご活躍されております産学の先生方にご講演いただくことになっています。また、若手の方々を中心とした一般研究発表も企画しております。本研究会は産学官共同研究の実現を目的とした情報交換の場として企画しておりますが、若手の方にも気軽に参加して頂ける気さくな会を目指しておりますので、多数ご参加下さいますようご案内申し上げます。

日時2006年1月20日(金)13:00〜19:30

会場ぱ・る・るプラザ京都(JR京都駅烏丸中央口を出て右手徒歩1分)
   〒600-8216 京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13
   TEL:075-352-7444(代)

交通:JR京都駅烏丸中央口を出て右手徒歩1分


プログラム

13:00〜13:30
 油糧微生物Mortierella alpina 1S-4の分子育種による有用脂質生産
 櫻谷 英治(京都大学大学院農学研究科・応用生命科学専攻)

糸状菌Mortierella alpina 1S-4はアラキドン酸の実用的工業生産菌である。さらに、変異株の探索によりアラキドン酸を含む様々な高度不飽和脂肪酸(PUFA)の生産を可能としてきた。本研究では、独自に開発した本菌の形質転換系をもちい、PUFA生合成に関わる酵素遺伝子を過剰発現あるいは遺伝子破壊することでその脂肪酸組成をかえることに成功した。そして現在、脂質生産性向上への応用研究に展開中である。

13:30〜14:00
 海洋性カロテノイドによる内臓脂肪の蓄積抑制効果
 細川 雅史(北海道大学大学院水産科学研究科・機能性物質化学研究室)

海藻は伝統的な日本の食品素材であり、その中に含まれる健康成分としてミネラルや食物繊維、また最近ではフコイダンなどが注目されている。一方で、脂溶性成分の機能性に関してはほとんど注目されてこなかった。演者らは、ワカメより抽出した脂質成分が、マウスの白色脂肪組織の重量増加を抑制することを明らかにし、その活性成分としフコキサンチンを同定した。本講演では、これらの研究内容を中心に海藻脂質の機能性について紹介したい。

14:00〜14:30
 カテキンの体脂肪低減効果および脂質代謝への影響
 桂木 能久(花王(株)ヘルスケア第一研究所・健康機能評価センター)

WHOは、全世界で10億人以上が太りすぎと発表し、肥満は深刻な問題となっている。お茶に含まれるカテキンは、古くから全世界で摂取されてきた天然素材である。今回、カテキンを540mg以上摂取することで体脂肪を低下させることを見出した。カテキンの摂取は、脂質代謝系を活発にし、エネルギー消費を高めることで、体脂肪を低下させる。本発表では、最新の知見を中心にカテキンの体脂肪低減効果とメカニズムを紹介する。

14:30〜15:00
 卵黄レシチンの機能と改質
 坂口 裕之(キユーピー(株)研究所 健康・医療R&Dセンター)

卵黄レシチンは乳化性を始めとした多くの機能性を持つ天然素材であり、食品、化粧品、医薬品の各分野で活用されている。また、卵黄レシチンは天然の構造のままで高い機能性を発揮するだけでなく、その機能性を強化するために様々な改質法が研究・応用されている。本講演では卵黄レシチンの持つ機能性、および各種改質法とその応用例について概説する。

15:15〜17:15
 若手による研究発表

1.固定化Candidaリパーゼを用いた脱酸廃棄物モデル基質のバイオディーゼル燃料への変換
○渡辺 嘉1, 永尾寿浩1, Praphan Pinsirodom2, 小林 敬1, 西田 穣3, 高木良彰3,
島田裕司1 (1阪市工研,2King Mongkut's Inst. Tech., 3日清オイリオグループ)

2.糸状菌Trichoderma sp. AM076の不飽和脂肪酸生合成遺伝子の探索
○井口恵太、阿部孝宏、櫻谷英治、清水 昌(京大院農・応用生命)

3.油糧微生物Mortierella alpina 1S-4より誘導された油脂漏出性変異株の菌体外タンパク質について
○木村拓矢、野尻増俊、櫻谷英治、清水 昌(京大院農・応用生命)

4.Penicilliumリパーゼを用いた減圧下での共役リノール酸モノアシルグリセロールの合成
○金谷秀治1, 渡辺 嘉2, 山内(佐藤)良枝3, 永尾寿浩2, 小林 敬2, 根岸 聡3,
寺井忠正1,島田裕司2 (1大工大院・工・応化, 2阪市工研, 3日清オイリオグループ)

5.共役リノール酸(CLA)生産に関与する乳酸菌の蛋白質機能解析
○岸野重信、小川 順、清水 昌(京大院農・応用生命)

6.嫌気性細菌による新規な不飽和脂肪酸変換反応
○三原皓典、岸野重信、小川 順、清水 昌(京大院農・応用生命)

7.ペルオキシダーゼによる過酸化脂質低減と高度不飽和脂肪酸酸化分解抑制
○寺尾友秀、宮元理恵、白坂憲章、寺下隆夫(近畿大院農・応用生命化学)

8.超臨界流体クロマト質量分析による脂質メタボロミクス
○馬場健史1、下西成人2、福崎英一郎2、小林昭雄2(1日立造船、2阪大院工・応生工)

9.トリコデルマーの生産する酸特異性のあるコレステロールエステラーゼと特異性のない酵素の性質について
○前田淳史、杉原耿雄(徳島文理大学)

17:30〜19:30
 懇親会


参加費:社会人2,000円、学生無料

定員:100名(先着順)

申込方法:E-mailまたはFAXにて住所、氏名、所属、TELを明記の上、下記宛に。

申込先:〒536-8553 大阪市城東区森ノ宮1-6-50 
    大阪市立工業研究所 生物・生活材料課 永尾寿浩
    TEL 06-6963-8073, FAX 06-6963-8079, E-mail nagao@omtri.city.osaka.jp

※お申込みいただいたお名前等の個人情報は、参加確認および今後の講習会ご案内以外の目的には使用いたしません。