催し

微生物機能の戦略的活用による生産基盤拠点

京都大学21世紀COE

 
講演会・セミナー

 

21世紀COEプログラム「微生物機能の戦略的活用による生産基盤拠点」

大学院生を対象とした特別セミナー
戦略的基礎技術 - systems biology - (2)

平成16年3月12日(金)
農学部総合館 応用生命科学専攻第4セミナー室


Principles of Metabolic Engineering II
(代謝フラックス解析)

Elmar Heinzle(エルマー・ハインチェル)博士
サーランド大学生物工学部・教授 (ドイツ・サールブリュッケン市)
京都大学大学院農学研究科・客員教授

連絡先:西岡孝明(Tel: 6121)

 

開催報告

 前回(2月13日開催)に引き続き京都大学大学院農学研究科客員教授である Saarland 大学 Heinzle 教授に代謝工学入門続編として,代謝物質のフラックス解析についての詳細な解説を講義していただいた.
 目的とする代謝物質の生産性を最適化するためには,炭素源をはじめ,ATP と NADPH などの補酵素の効率的な利用を実現する必要がある.その解析手段としてフラックス解析が利用されている.一般には,代謝物質の濃度と代謝速度,代謝経路などのパラメータの数に対して,測定できるパラメータの数が少ないので,それらを見積もるためには連立方程式の最適解をもとめることが必要である.Heinzle 教授はリジンの微生物生産と植物における抗菌性代謝物質の生産,これら2つの実例を挙げて,解析手続きを詳細に示された.
 本専攻の大学院生や学部生がこのような講義をうける機会が少ないので,大きな教育的効果をあげることができた.約50分間の講義の間,熱心に耳をかたむけ,講義のあとは多くの質問に対して丁寧に答えをいただいた.